Deep Echelon (伊豆半島編)

自転車の領域を越した先にある深みに関して綴る「Deep Echelon」シリーズ。

普段とは違う、マニア以外は避けた方がいい領域の内容となっておりますのでご注意を。

読んでも速く走れるようにはなりません・・・。

でも無駄は人生を豊かにするとかしないとか・・・。

 

記念すべき初回である今回は、伊豆半島が何故面白いのかという理由をDeep Echelon的に考えてみました。

 

 

首都圏から比較的アクセスしやすい伊豆半島ですが、海も山もあって食べ物が美味しい上に、良質な温泉もあるという、自転車乗りにとってはとても魅力的な地域だと思います。

 

比較的開拓されていて人口も多く、熱海とかは新幹線まで通っている東伊豆。それと比べて少し落ち着いていながら、修善寺までは電車でアクセスも可能な中伊豆。多少アクセス難とはなりますが、富士山を望む絶景ルートが多い西伊豆。歴史的にも重要な下田を含めた南伊豆。それぞれ特色があって面白いルートが沢山潜んでいます。

 

また、伊豆半島の特色として、それぞれの地域間を移動するには山を超えなければならず、丁度良い塩梅のヒルクライム天国だということもあります。

1,000m前後の尾根伝いを走る西伊豆スカイラインのような有名絶景ルートもあり、何度行っても飽きない魅力的なエリアが沢山あります。

 

その時の気分で、熱海や伊東、下田から伊豆諸島の離島へ気軽に渡ることも出来ます。

伊東から伊豆大島ならジェット船で片道35分。

東京から渡るよりもかなり近くて安い!

 

個人的に一番のオススメは、西伊豆スカイラインを満喫してから西伊豆海岸線を満喫し、土肥港から駿河湾の対岸にある清水港まで駿河湾フェリーで渡るルート。

海上から目の前に富士山がドカーンと迫る絶景を気軽に拝められるルートで、カーフェリーなので自転車をそのままの状態で積み込めます。(自転車積込料金は別途必要)

 

そんな伊豆半島ですが、問題があるとしたら、平坦なルートの方が好きな人にとっては、海があるというのにどこへ行っても山だらけで、罰ゲームみたいに感じることでしょうか・・・。

(自転車乗りは殆どがドM要素を持っているでしょうし、美味しい食べ物、温泉、親しみやすい地元民、絶景、程よいヒルクライムに時々富士山が顔を出すご褒美でドーパミン出まくりみたいな場所なので、まだ伊豆半島を走ったことのない人は食わず嫌いしないでくださいね・・・)

 

紹介したい魅力的なルートは沢山あるのですが、今回それらに触れていると、ちっともDeep Echelonではないので、伊豆半島のルートに興味がある人は他の記事を読んだり適当にググったりしてください・・・。

(いい加減でごめんなさい・・・)

 

 

さて、ここからやっとDeepゾーン・・・。

 

本州から陸続きとなっている伊豆半島は、箱根エリアを北端としてフィリピン海プレート上にあるのですが、なんと昔は本州とは繋がっておらず、元々はもっと南の海上にあったのに、プレート移動で徐々に北上し、ついには本州と繋がったようです。

かなり乱暴で詳細を端折った説明をすると、同じフィリピン海プレート上にある伊豆諸島の離島群と同じグループで、伊豆半島と伊豆諸島の間は、海の中では海底火山が連なって繋がっています。

それらの中で、標高が高くなって海上に顔を出している部分が伊豆半島や伊豆諸島だと考えて貰えればいいかと思います。

(厳密にはツッコミどころ満載な説明なのですが、簡単にする為に許してください・・・)

 

噴火によって海上に形成された数々の火山島が、プレートの動きによって本州と衝突し陸続きとなっただけで、考え方次第では、伊豆半島の山々は、凄く狭い範囲で沢山の火山島の集まりが陸続きになっているみたいなものです。

 

そして本州との衝突後、東伊豆周辺では、噴火も多発して更に多くの単成火山が形成されました。

大室山とかは、かなり綺麗な単成火山なので、火山好きなら一見の価値アリです。

 

伊豆半島を走っていると、また山を越えなきゃいけないのか・・・、この峠を越えないと反対側にいけないのか・・・、などなど、伊豆半島あるあるなのですけど、それはいくつもの火山島の間を、陸続きで移動しているのだと考えるのがDeep Echelon流。視点を変えるだけで、かなりロマン溢れる世界に飛び込めたりするのではないでしょうか。

(ただのロマンの無駄遣いだと思った人はDeepさが足りていないのかも知れませんよ・・・)

 

峠を越える度に、次の島はどんな島なのかなー、なんて考えるだけでも、伊豆半島の楽しみ方が広がりますよね。

次の島は金目鯛が美味しいとか、次の島では温泉に入ろうかなとか、次の島からは富士山がよく見えるとか・・・。

歴史を知らないと単なる妄想バカな領域ですが、実際に過去には離島だった伊豆半島だからこそギリギリ許されるのではないでしょうか。

 

伊豆半島の生い立ちを知ると、ユネスコにも世界ジオパークの一つとして登録されている「伊豆半島ジオパーク」という括りだけではなく、たまに見かける伊豆半島伊豆諸島ジオパークという離島も含めて一つの括りにする表現の方が正しいのかなとも思います。

 

この記事を読んで、なぜ伊豆半島は起伏が激しくて面白い場所が多いのかということがわかって頂けたら嬉しいです。

火山島の集まりみたいな場所なので、至る所に温泉が湧いているのも納得ですね。

離島へ行かずとも離島を走っている気分になれる伊豆半島、みなさんも機会があればもっと探索してみてはどうでしょうか?!

 

 

では、ここら辺で「Deep Echelonデータ」を少しだけ・・・。

 

伊豆半島は伊豆諸島と同じフィリピン海プレート上にある

700万年前の伊豆半島は小笠原諸島に近い場所にあった

200~100万年前に伊豆半島が本州に衝突し陸続きに

伊豆半島と伊豆大島の間には沢山の海底火山

水深500mくらいで伊豆半島と伊豆諸島が繋がっている

この勢いで「もっとDeep Echelonデータ」も大盤振る舞い!

(完全にマニア領域に突入・・・)

1960年代後半にプレートテクトニクス理論が登場

昔は日本周辺にはプレートが入り込んでいるだけで、プレート同士の衝突は無いと考えられていた

ところが1972年に、杉村新氏が「日本付近におけるプレートの境界」という論文を発表

それ以降、伊豆半島が本州へ衝突したという考えが広く認められるようになった

 

 

えーい、この際「ついでにもっとDeep Echelonデータ」も!

(制御不能・・・)

 

なんと丹沢山地も昔は本州とは繋がっていなかった

丹沢山地が本州と衝突したのは600~400万年前

200~100万年前の伊豆半島衝突によって丹沢山地が隆起

丹沢山地衝突の境界線は北側にある相模川上流、JR中央本線や中央自動車道の通る関東山地の南縁

伊豆半島衝突の境界線は箱根山地の北側、丹沢山地の南縁

今も衝突は続いている・・・

 

 

丹沢山地までもが衝撃の過去を持っていたのですが、伊豆半島との違いは火山形成されたのか隆起かという差があるので、どちらも起伏があって面白いのですが、自転車乗りの視点からは、温泉の数で明確に差が出ていますね。

 

それにしても、Deep Echelonの領域になると、地形だけではなくて、化石や深海に生息する生物による分析までして地球の研究をしている神さまみたいな人達の存在に驚きます。

 

自転車乗りの中でそこまでのマニアは滅多にいないかとは思いますが、もし更にDeep Echelonを掘り下げたい人の為に、後日参考文献を掲載しますので、再びここをチェックしてくださいね。

ちょっと時間が無いので、取り急ぎ引用させて頂いた文献リストの掲載もお待ちください・・・。

(ちゃんと載せますのでしばしお待ちを!)

後で余裕があったら写真もUPするかも知れません・・・。

 

こんなことばかり考えている暇があったら、もっと走れば速くなれるのに、相変わらず寄り道大好きなEchelonなのでした・・・。

 

ではでは、常に道交法厳守で、マナーを優先して思い遣りのある自転車ライフを!